●装備
ボディー:インフレータブルボート
船尾:スパンカー
船首:表差し舵又はハンドコン
エンジン:デッドスロー装置
●コマセ釣り(海上に停止をしての流し釣り)
インフレータブルにスパンカーを取り付けて、海上に停止をしながら他の遊魚船団に混ざって釣りをすることが可能かということについて、検証します。
一般の遊魚船、FRP製のボートは、喫水があり、サイドには、チャインがついているので、そのことにより、横に流れていくことをある程度防いでくれます。
これに対して、インフレータブルボートは、喫水がほとんどなく、船体も丸い棒状のチューブにエアーを入れて海面に浮かんでいるので、横の流れに対しては非常に弱く、すぐに流れてしまいます。
スパンカーを立てることによって、風に対してはまっすぐに立つことができますが、潮の流れる方向が横からの場合、他の遊魚船団に比べると、見る見るうちに流されてしまい、船団を離脱してしまいます。
それでも、風の向きと潮の流れの向きが同じ方向、もしくは真逆のときは一緒に混ざって釣りをすることが可能です。
しかし、ほとんどといっていいほど潮の流れと風の方向がぴったりと一致する日はありません。
若干ずれている日は多々ありますが、そのずれの大きさによって、インフレータブルボートは船団から離脱していきます。
それでは、どのようにすればインフレータブルボートが遊魚船団に混ざって流し釣りをすることができるのか!?
いろいろと考えました。
船尾のサイドに表差し舵のようなものを入れてチャインの代わりにならないか!?
しかし、それはあまりにもかさばるし、サイドに表差し舵のようなものを入れたところで喫水のないインフレータブルではあまり効かないだろうということで断念しました。
続いて考えたのが、船首にハンドコンを取り付けて潮に流されるのをカバーする方法です。
船首にハンドコンをつけることによって、当然表差し舵は必要がなくなるのでとりはずします。
この方法はかなり有効でした。
他の船団と比べて流されていく方向とは逆にハンドコンを向けて、流れてくのを防ぐことが可能です。
まったくの手放しで釣りが楽しめるというわけではないですが、微調整をしながら釣りをすることは可能です。
但し、これにも難点があって現在使用しているシーキングバッテリー90Aでは、まる一日もたないです。
このときの使用状態は、推進力はハンドコンオンリーで、その他、魚探・電動リール1台分の電力でした。
ずいぶん流されたなあと思った時に、元の位置に戻る為にハンドコンのパワーを最大限にして戻った為、かなりのロスが想定されます。
次回、推進力はデッドスローを使用してのエンジンを使用し、ハンドコンについては潮流対策オンリーにして、なるべく電力の消費を抑えて試してみようと思います。
ちなみに今回使用したハンドコンは、ミンコタの無段階変速でした。
●探り釣り(海上を少しずつ移動しての流し釣り)
オニカサゴ釣り等の釣りは、同じ場所に留まって釣りをするより、少しずつ移動しながら広範囲を探りながら釣りをするのが有利な釣り方です。
そのようなときには、インフレータブルにスパンカーという若干邪道感を否めないこの組み合わせが意外に効力を発揮していると思います。
パラシュートアンカーによる流し釣りと比較してみましょう。
パラシュートアンカーによる流し釣りは、潮と風の向き・強弱によって、どちらに流されるのかわかりません。
狙いたいポイント上をうまく通過してくれればいいのですが、なかなかそううまくいかないのが現状です。
これに対して、スパンカーによる流し釣りですが、こちらは海上で停止することもできますが、微速前進することも可能です。
微速前進をしながら、線状に探っていくことが可能です。
狙いたいポイント上もちゃんと狙うことができます。
さらにインフレータブルの特徴は、風に左右されることが遊魚船に比べて多いので、線状というよりもギザギザ線による曲線攻撃となるわけです。
遊魚船に比べるとあまり変わらないかもしれませんが、インフレータブルでのスパンカー釣り、微調整も必要なく、手放し状態で釣りが楽しめるので私は大好きです。